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水戸へ 筧利夫(水戸和浩)

先日、学習院大学で行われた「筧利夫」のトークショーに
BRIDGEのメンバーで行ってきました。

筧さんはおれにとって憧れの存在!
「第三舞台」の代表作品「朝日のような夕日をつれて」を見て以来、
おれは筧さんにハマリまくりなのです。
筧さんの演技の魅力はどこからくるのだろう。
「第三舞台」の舞台のビデオを見て、今までにない何か違うものを自分は感じました。
おれもあんなすごい役者になれたらなぁ。一度でいいから会ってみたい!!


 東京工芸大学でのトークショーはバイトが入ってて行けなかった・・・。
次こそは!!次こそは何が何でも行ってやる!!
そう、BRIDGEが11月5日に筧利夫が学習院大学で
トークショーを行うという情報を手に入れたのです。
最後のチャ〜ンス!!おれ・・這ってでも行くよ!!

 当日バイトを強引にキャンセルして、朝早く目白に出かけました。
大学に行くときとは大違いだ・・・。
トークショーが始まるのはPM2:00。
おれたちが会場に着いたのはAM10:30。
会場にはまだ誰もいなかった。それもそうだよな。
時間までまだ3時間近くもあるし。
・・・・ッ! っていうことは、おれたち一番乗りじゃん!!

と思ったその時、いましたよ・先客が。
かなりマニア系の臭いがプンプンしているお姉さん4人組が。
(おれもある意味マニアか・・。この人たちと同類なのか!?
いや、同類ではない!!断じて違う!!そうだよね、みんな!!)
彼女らは学校の門が開く前から待っていたそうな・・・・。ごくろうさまです。


 開場までの3時間、おれはずっと質問コーナーのことについて考えていた。
筧さんにどんな質問をしようか。普通の質問じゃありきたりだし、
なんかすごいことをやってみたい。一生に一度のチャンスかもしれない。
今日、ここでやらなければ一生後悔する。

 そうだ!「朝日のような夕日をつれて」で使っていたセリフを
自分なりにアレンジして筧さんにぶつけてみよう!!高まるメンバーの期待。
「水戸君なら、やってくれるよね。やらなかったら・・・・わかるよね?」
名取君が脅しをかけてきた。プレッシャー(X100)。
やらなければ村八分!?マジかよ!?


 そんなこんなで開場。開演まであと30分。
会場には500以上のお客さんが席をいっぱいにした。立ち見の人もちらほら。
おれたちは一番前の席に陣取った。しかもおれは中央の通路側の席。
4m前の壇上にはテーブルと椅子が・・・。あそこに筧さんが座るのか・・。
マジっすか!?30分後には、4m前に生の筧さんが・・・、し、信じられん!!
このアドレナリンの分泌量は大学受験当日のそれを遥かに凌駕している。
卒倒しそうだぜ!!そして、トークショーが始まる。

「ビ〜リ、ビリ〜!!・・・・」歌が聞こえてくる。生歌だ!!
後ろを見るとか筧さんが!!生の筧さんが!!!
客席の後ろマイクを持って歌いながら歩いてくる!

その光景は「朝日のような夕日をつれて’97」のゴドー(筧さんの役)
の登場シーンを彷彿させた。いきなりすごい演出やってくれるじゃないか!!
くそ〜っ、すげぇよ!!
このままだと筧さんはおれのすぐ横の通路を通ってくる。チャ〜ンス!!
通路側に座ったたくさんのお客さんが握手を求めて手を差し出している。
おれも!!バッと手を差し出したら・・・、
握手してくれましたよ!!しっかりとね!!最高!!


 歌(最近リリースしたシングルのcw)が一段落したところで、トークショーが始まった。
内容は私生活からドラマ「スタアの恋」「やまとなでしこ」「踊る大捜査線」
そして、「早稲田の劇研」「第三舞台」の話まで及んだ。

 司会者の学生が舞台のことについて、たくさん訊いてくれたおかげで
いろいろと勉強になった。筧さんぐらいの役者になっても、
役の気持ちになりきるまで、一ヶ月くらい悩むらしい。
役作りのために、その役の過去を自分なりに仮説をたてたりするらしい。
プロだからって、特別変わった事をしているというわけではないのだと感じた。

 そして、舞台を続けていく上で大切なことは、「健康であること」と言っていた。
体調を常に気をつける。自己管理がしっかりしていないとダメだということだね。
当たり前の事だけど,筧さんに言われて改めて教えられた感じがした。
やっぱり”本物”がいう言葉には説得力がある。


 トークショーも終わりに近づき、ついにきました!質問コーナー!!
そこで司会者が「ここに色紙が5枚あります。筧さんに指されて
質問された方にはできたてほやほやの直筆サインがもらえます。」と、言った。

 なにぃ!?サインがもらえるだって!? 
・・・・・! え・・・?でも、たった5人だけ?
会場には500人以上のお客さんがいる、ということは、かなりの競争率。マジかよ!?

 「では、最初の人・・・・」と、その瞬間、おれは「ハイ!!」と手を上げた。
しかし、筧さんは前のほうには視線をやらず、会場の真ん中の席の女性を指名した。
やばい・・・。筧さんは前列には意識がいっていないのか!?
無理かもしれない。このときマジで絶望の2文字がおれを包んだ。
あと4人。なんのために朝早くから並んでこの最前列の席をとったんだ。
すべてはこの瞬間をものにするために!

「次の人・・・」と、同時にたくさんの人が手を上げた。もちろんおれも。
筧さんは誰を指名しようか迷っているようだった。
そのとき、「筧さん!おれ!!筧さん!!」と叫んだ。
そうしたら、筧さんがおれを見て、
「わかったよ・・・。おまえ。」とおれを指名してくれた。

おっしゃ〜〜〜〜〜〜!!!!!きたぜ!!きたよ!!きましたよぉ!!!
今までの緊張感もなんのその、おれは完全に舞台モードに入ってました。
「おれは、まだ駆け出しの役者なんですが、97年度の「朝日のような夕日をつれて」を見て、舞台役者の筧さんに憧れました。
筧さんが舞台を始めた当時から持ちつづけている信念のようなものがあったら教えてほしいのですが。」

そして、「参考までにぃ〜、僕のいちば〜ん好きな言葉は”愛”だ!」
と、筧さんの舞台のセリフを自分なりにアレンジしてぶつけました。
会場の500人のお客さんにとっては滑稽に見えたでしょう。
でも、やってしまいました。

そんなおれを見て、筧さんは
「おまえみたいに”新劇病”にかかる奴が多いんだよ。昔のおれを見てるみたいだよ。
今、彼が言ったことは昔舞台で使っていたセリフの一つなんだけど・・・・」
と、笑いながら答えてくれました。そして、
「役者はどんなに頑張っても常に1ミリしか成長しない。
ジリジリと1ミリずつしか成長しない。でも、落ちるときは、一気に落ちる。
水が高いところから落ちるように、落ちるときにはストーンと落ちる。」と。

最後に「がんばって!!」と言ってくれました。感無量でした。
 
質問が終わり壇上へ向かうと、筧さんは色紙に
        「水戸へ  筧利夫  2001.11.5」
と、書いてくれました。そして再びがっちりと握手。

 こんなに幸せな瞬間は、今までの人生において、これからの人生においても、
そうそうあることではないだろう。
 筧さんからもらった色紙はおれの宝物として部屋の一番目立つところにかざってあります。
(c) 2001,11,05, Monday 03:30 AM | comments (0) | trackback (0)
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