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★公演終了★(渡邉香里)

さて、公演が終了して、あっという間の一週間が経ってしまいました。
エリ役の、セイこと渡邉香里です。

今回は、なんと613人ものお客さんに観にきていただきました!!

『八月のシャハラザード』で勢いだけで旗揚げしてから、3年目。
毎年12月はあの多目的ホールで公演をしてきましたが、
まさか、300人収容できるあのホールが埋まる日がくるとは、夢にも思いませんでした。
というか、本当は夢みてました。
それが、こんなに早く叶うなんて。

ご来場、ありがとうございました。


『PATRICIA』いかがだったでしょうか。
台本の構成上、「難しい」との声を聞きましたが、それで良かったと思ってます。
ストーリーがわかり易いというのは、演劇というジャンルにおいては、
薄っぺらくなってしまう可能性が高く、
「あー面白かったね、さっラーメンでも食って帰るかっ」ていう作品は、
すぐに忘れられてしまうと思うんです。

ひとつのお話を観てもらう、というのは芝居じゃなくてもいいわけで、
今回は、ストーリーを通して、お客さんに舞台と対話してもらいたかったのです。
私が、「ああ面白かった。一生忘れない。」と思える作品は、必ずそういう芝居でした。
芝居と同時並行で、私は別のこと、自分のことを考えてるんです。
でも、それはけしてストーリーを邪魔しない、そんな時間を持てる作品。

傲慢かもしれませんが、『PATRICIA』が誰かにとって
そういう作品になれたとしたら、嬉しい限りです。



生きていれば、辛い事はたくさんある。
傷ついてる人は、きっとたくさんいる。
ごまかして生きていくこともできるけど、そうして笑って芝居も作れるけど、
「あえてその傷に触れたい」と、木下は言っていました。
傷口をえぐるんじゃなくて、その傷を認めて、そっと触れてあげたいと。

『PATRICIA』は誰かにとって、とても痛い作品で、
誰かにとっては、きっと他人事の世界なのだと思います。
それで、いいんだと思います。


でも役者である私は、ちゃんとその傷を背負って舞台に立っていなければと思います。
絶対に嘘だけはつきたくなかった。

エリの傷は私の傷です。
エリの涙は本物です。
泣こうと思ったわけでも、そういう演技をしたのでもなく、
悲しくて苦しくて、耐えられなかったからです。
私は確かに、舞台上で生きていました。

「役者は生き様」といいますが、エリは、私の23年間の全てです。
そんなエリの姿から、何かを感じてくれた人がいれば、役者として幸せです。

『PATRICIA』はBRIDGEにとっての分岐点でした。
皆、それをわかってやっていました。
そして、なにかは掴めたのだと思います。
私は、役者を続けます。


ご来場、ありがとうございました。
次はいつになるかわかりませんが、
きっと、劇場でお会いしましょう。
(c) 2002,12,16, Monday 08:22 PM | comments (0) | trackback (0)
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