THE STROKES 『ROOM ON FIRE』
2010年は待望の4枚目が
リリースされるそうです。
リリースされるそうです。
今年もあとわずか・・・。
2009年はなんといってもビートルズを聴きまくった1年だった。もともと普段から好んで聴いていたのに加えて、今年は芝居絡みで集中的に聴くようになり、さらに9月のリマスター盤が拍車をかけた。この3段責めで、今年の中盤から後半は聴く曲の7割がビートルズだった気がする。
ではビートルズ以外で今年もっともよく聴いたアーティストというと、これはもう間違いなくストロークス。以前本ブログで紹介した彼らのデビュー盤『IS THIS IT』(01年)はもちろん、2枚目『ROOM ON FIRE』(03年)、3枚目『FIRST IMPRESSIONS ON EARTH』(06年)も聴いて聴いて聴きまくった。本来ならここで今年リリースの新譜を挙げると大晦日的には収まりがよいと思うんだけど、改めて振り返ってみると今年1年ガッツリ腹に溜まったのはストロークスのアルバム全3枚である。
芝居の選曲を担当している関係で、1年を通して聴く音楽は、その年の作品に関連したアーティストやジャンルが多くなる。今年はいつにも増してロックに触れた1年だった。新譜や名盤を購入したり、元々手元にあったCDを聴き直す機会を意識的に増やしたことで、新たな発見や思わぬ再会があって、芝居きっかけとはいえ、今年の音楽生活は我ながらとても充実していたと思う。そのなかでもストロークスほどピタリとハマったバンドは他になかった。
彼らのCDはずいぶん前に一度聴いたきり、しばらくCD棚に放置してあった。正直その時はあまりピンとこなかったのである。それを今年の春頃に久々に聴き直した。ちょうどその頃の僕は、ロックを聴きすぎた反動で軽い“ロック麻痺状態”にあったのだが、それを、かつては何とも感じなかったはずのストロークスが、鮮やかに吹っ飛ばしたのである。
以前も書いたけど、彼らのロックには特別目新しい何かがあるわけではなく、むしろシンプルでオーソドックス。だがそのシンプルさにしびれる。ギター本来のかっこよさ、ロックンロール本来の勢いと熱さ。10代の頃、初めてロックを聴いた瞬間のような、一番素朴な憧れをこのバンドは体現してくれる。
そういう点でストロークスは、ひとしきりロックという音楽を聴き終えた後に初めてグッとくるバンドなのかもしれない。僕個人のストロークスとの出会い方もそうだし、さらには90年代末というロックの倦怠期の後に彼らが登場したという歴史的な流れからもそれは指摘できる。
しかしまあそんな小難しいことは置いといて、とにかくもうストロークス大好き。ジュリアンのしゃがれたボーカル、ツインギターの絶妙な絡み方、ベースの響き、ドラムの柔らかさ。何もかもがパーフェクト。本当にかっこいい。あれこれカタイことを書いたけど、結局彼らの魅力を語るのには「かっこいい」以外の言葉は不要である。聴いているうちに体が疼き、脳の奥が捻られて、しまいには泣けてくる。一度聴き始めるといつまでも聴いていたくなってしまう。
前述のように現在3枚のアルバムがリリースされているストロークスだが、どれも最高のアルバムなので、全てが必聴盤。1枚目の『IS THIS IT』は2000年代ベストアルバムトップ10にランクインするなど評価が高く、おそらくこのデビュー盤から入る人が多いと思うのだが(もちろんそれが聴き方として真っ当だが)、個人的には2枚目の『ROOM ON FIRE』がもっともポップに仕上がっていると思うので、このセカンドから入るのも一つの手。
つい先日、ボーカルのジュリアン・カサブランカスがソロデビューアルバムをリリースしたので、早速試聴したのだけど、やっぱり僕は「ストロークス」というバンドが好きなんだなあと思った。他のメンバーのソロ活動も盛んで、現在バンドとしては実質解散状態なのかと思ったら、なんと2010年にはストロークス名義の4枚目がリリースされるという噂を耳にした。ということで、僕のipodは来年以降も引き続きストロークスをヘビロテしそうである。
06年Fuji Rock Festivalでのストロークス。曲は<THE END HAS NO END>
こちらもライヴ。アルバム1曲目<WHAT EVER HAPPENED>
こちらはPV。曲は<12:51>